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マイミクのtamaさんが殺されたそうです。 [マイミクのtamaさんが殺されたそうです。]

11月23日


晴れでも、雨降りそう。
そして、休日。


昨日の続き。


「あの玉藻が、タマなんですか?」

「ああ。
 多摩月 玉藻。
 両方とも玉が、つくだろ?」

「はい。
 あ、そっか……
 それで、タマか……」

「本人は嫌がっていたけどね……」


幸雄さんは、そう言って苦笑いを浮かべた。


「え?
 かわいいじゃないですか」

「猫みたいで、嫌なんだってさ」

「あ、なるほど……」


そう言えば、玉藻は、猫が嫌いって言っていたような……
あんなにかわいいのにね。


「その日記、君が持っていてはくれないか?」

「え?」

「形見分けだよ。
 あのこの指輪も……」


幸雄さんが、そう言っておもちゃの指輪を出した。
俺は、その指輪を知っている。
いや、思い出した。

この指輪は、俺が退院する日。
タマにあげたおもちゃの指輪だった。


俺は、今の今まで忘れていた。
でも、玉藻はずっと覚えていたんだ……


「ありがとうございます」

「どうやら、忘れていたって顔だね……
 でも、弟の茶虎君は、覚えていてくれたみたいだよ」

「え?
 でも、その時って、アイツ2~3歳でしたよ?」

「遊んでくれたのが嬉しかったそうだ……
 それで、頻繁に会うようになったらしい……」

「そうですか……」

「実のところ、君より茶虎君の方が、会っている回数が多かったらしい。
 それで、犯行に及んだのは、茶虎君ってなってしまったんだ」

「そうですか……」


俺は、ゆっくりと息を吸い込んだ。
俺は、玉藻を幸せにしてあげることが出来たのだろうか?
もっともっと幸せにしてあげたかった。
どうして、俺は忘れてしまったんだ。

悔しくて涙がこぼれた。


※この物語は、フィクションです。


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