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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

2月29日


今日は、うるう年。
1年得した気分になれる日だ。
だが、余はそんな気分になれない。

亜金が、殺されるかもしれない。

メンバーを集めて、相談した。
玉藻は、泣き崩れた。


「泣いている時間はないぞ」


クロが、小さく呟く。


「わかっている……
 だけど、亜金はもう……」

「まだ、死んだとは限らないわ」


万桜が、そう言うと玉藻の目が一瞬明るくなる。
だが、その表情が再び暗くなる。


「マイナス思考は止めた方が良い。
 今は、彼の無事を祈るしかない」


零が、そう言うとメガネを上に上げた。


「だけど、どうすれば……」


万桜が、呟く。


「もう一度神の目を使う」


余は、そう言って左手で左目を押さえた。
そして、余は神の目を使い亜金の様子を見た。


亜金は、横になっている。
雫の膝の上で横になっている。

雫は、横になっている亜金の頭を撫でていた。


「亜金……」

「雫さん、どうしてこんなことを……?」

「ごめんね。
 能力の反動で、私貴方のこと好きになったみたい……」

「す、好き?」

「うん、私みたいな不細工イヤだよね」

「そ、そんな!雫さんは綺麗な人だよ!」

「ありがとう……」


雫は、小さく笑う。
だが、その笑みは小さかった。
雫の元気が無い、余にはわかる、雫の命の灯火もう尽きようとしていることが……
亜金もそれがわかっている……


「雫さん、病院に行こう!
 今からなら、まだ間に合うよ……!」

「ありがとう……
 でも、それをしたら白銀たちが他の人を巻き込んじゃうよ?
 亜金、そう言うの嫌いでしょ?」

「そ、そうだけど……」

「だからね……
 もうちょっとだけ、私に付き合って」


余は、ここで神の目を見るのを止めた。
これ以上は、余が踏み込まない方が良いだろう。
余が、亜金の無事を皆に伝えると、安堵のため息をそれぞれがついた。

そろそろ決着の時が早いのかも知れない。


※この物語は、フィクションです。

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