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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年6月17日


今日の朝は、美穂が来れないらしい。
昨日仕事で徹夜したらしい。


美穂がいないと話し相手がいなくて暇だ。

部屋をノックする音が聞こえる。
俺は、それだけで胸の鼓動が早くなる。

俺は、子供だな。

そして、現れたのは美穂だった。


「生きてるか?」


美穂は、ニッコリと笑った。


「生きてるよ」


俺は、苦笑いを浮かべた。


「なら、よかった」

「それより、来れんかったんじゃなかったのか?」

「思ったより仕事が早く終わったから、早く帰ってきたんだー」

「そっか……」


うーん。
美穂は、何か変わったな。
少し探りを入れてみるか……


「聞きたい事があるんだけどいいかな?」

「なにかな?」

「妹ってどんな人?」

「泣き虫」

「それ以外は?」

「無口で、人見知りの激しい寂しがり屋」

「仕事は?」

「どっかの会社で事務をしている」

「元気にしてるのか?」

「すこぶる元気だよ」

「今度紹介してくれ」

「ダメ!」

「どうして?」

「恥ずかしがり屋なんだー
 きっと貴方との接し方もわからないと思う」

「じゃ、写真見せて」

「妹に興味があるの?」

「うん。
 ちょっとね……」

「もしかして、妹の事が好きになっちゃった?」

「会ってない人を好きにはならないよ」

「そうだね……」


うん。
やっぱり口調が違う。

「明日休みだから、今日はゆっくりできるぞー」


美穂は、そう言って俺のベッドに潜る。


「寝るか?」

「うん」

「おやすみ」

「おやすみなさーい」


美穂は、そう言って静かに寝息を立てた。


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