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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年06月23日


昨日の約束通り、俺と美穂は、子供たちのいる噴水がある広場に向かった。


そんな俺達をじっと見つめている少年と少女がいた。
左目を包帯で巻かれている女の子。
そして、その子の後ろに隠れている女の子。

男の子は、6歳。
女の子は、3歳と言った所だろうか。
根拠は無い。
俺の勘だ。


その2人は、独特の雰囲気を漂わせていた。
その雰囲気は、とても子供が出せる雰囲気ではない。
歩ちゃんたちとは、何処か違っていた。


「あの子たちは?」


俺は、充君に尋ねてみた。


「あの男の子は、隼人君。
 そして、いつも隼人君の後ろにいる女の子は、愛ちゃんです」

「あの子たちとは、遊ばないのか?」


充君は、首を横に振る。


「あの子たち、どうしてだか僕たちと距離を置きたがるんです」


充君が、そう言ってため息をつく。


「ケンカでもしたのか?」

「そうじゃないんですが……」

「みんな仲良くしなくちゃダメだよ」


美穂が、そう言うと元太君がつまらなさそうに言った。


「俺たち絶対、嫌われてるんだぜ?」


元太君が、隼人君たちの方に視線を向けると愛ちゃんが隼人君の背中に隠れる。


「ちょっと待ってね」


美穂は、そう言って隼人君たちの方に向かって歩いた。


隼人君の方に向かうと、美穂は腰を降ろし隼人君の視線に合わせた。
そして、何か話しているようだ。
ここからじゃ、聞こえない。


美穂の笑い声が聞こえる。
そして、俺達の方に顔を向けるとブイサインをした。

美穂達は、ゆっくりと俺達の方に歩いてきた。


「この子達のお友達になってくれるかな?」

「え?」


充君が目を丸くさせて驚く。


「遊んでくれますか?」


愛ちゃんが、小さな声で呟く。


充君と元太君が、「いいよ」と頷く。

歩ちゃんが、隼人君に向かって笑う。


「ありがとう」


隼人君は、照れくさそうに眼をそらした。


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