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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年6月24日

俺は、日向ぼっこも兼ねて庭のベンチに座る。
元太君たちは、俺の前に集まっている。
そんな元太君たちを、美穂が優しい目で見ている。


「じゃ、鬼ごっこしようぜ!」


その中の元太君が、明るく元気に言う。
「鬼ごっこはダメだって言ったろ?」


俺は、それを止めた。


「外だからいいじゃないかよ」

「お前ら病人だろ?
 病人は病人らしく大人しくしてな!」

「ぶー」


元太君は、そう言って頬を膨らませた。


「お前らは、ゲームとかしないのか?」

「しますよー
 僕達は、今、ポケットモンスターにハマっています!」


充君が得意げに言った。


「なら、それで遊べばいいじゃないか……」

「それだと兄ちゃんと遊べないだろ?」


元太君が、ため息交じりに言った。


俺は、少し目頭が熱くなった。
俺の事を考えてくれたのか……


「お前ら、俺のことを考えてくれてたのか?」


俺が、そう言うと元太君達は、苦笑いを浮かべた。


「隼人君と愛ちゃんもポケモンをやってるの?」


美穂の問いに2人は頷いた。


「そっか……
 持ってないのは、私と一だけね。
 よし!お姉さんに任せなさい!」


美穂は、頷いた。
美穂は、何をする気なんだろう?
美穂は、ただニコニコ笑っているだけ。
今の美穂が何を考えているかわからない。

昔の美穂なら、「私らのことなど考えないで自分らで遊びな!」って言っただろう。
でも、美穂は、「任せなさい」と言っている。

美穂、俺は、君が何を考えているかわからないよ。
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