SSブログ

まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年06月26日

昨日は、年甲斐もなく子供達とはしゃいだ。
子供とはしゃぐ美穂の姿なんて初めて見た気がする。


思い出しただけで、何故か笑えてきた。


「ニヤニヤして、どうしたの?」


ベッドで横になっている美穂が笑う。


「あ、イヤ。
 なんでもない」

「もしかして、欲情した?」

「欲情って……」


俺と美穂が、同居するにあたって一つ約束があった。
それは、お互いが好きにならない限りセックスはしないという約束だ。

だから、今の段階ではただのルームメイト。
同居人なのだ。


それが、どうしてだろう?

俺が入院してから美穂の様子がおかしい。

俺と美穂。

いつのまに普通にキスしたりする関係になったのだ?
確かにいままで、キスとかはした事がある。

だけど、そう言う関係ではないはずなんだ……


「と、とりあえずポケモンやるよ」

「そう……
 私は、食堂でご飯を食べた後、仕事に向かうね」


美穂は、そう言ってベッドから降りた。


「ああ。
 くってらー」


その後、千春ちゃんが朝食を持って俺の部屋に訪れる。


「ゲームですか?」

「うん。
 美穂が、買ってきてくれたんだ」

「そうですか……
 でも、ゲームばかりやってないで、歩いて下さいね。
 そうしないと運動不足になってしまいますから」

「そうだな……
 ちょっと歩くかな」


俺は、セーブしたあと、DSの電源を切った。


「はい、是非そうしてください!
 出来るだけ毎日歩いて下さいね」

「うん」

「あと外出したくなったら言ってくださいね。
 お姉ちゃんに相談しますから……」

「お姉ちゃん?」

「あれ、言ってませんでしたっけ?
 春雨 銘。
 斎藤さんの担当医のはずなんだけど、まだ会ってませんか?」

「あ……
 歩ちゃんの所で会ったかも」

「お姉ちゃん、小児科も担当してるんですよー」

「そうなんだ……」

「はい!
 あ、私そろそろ行かなくちゃ……
 お薬きちんと飲んでくださいね!」


千春ちゃんは、そう言って俺の部屋を出た。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

やっと……ポケモンレポート1 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。