SSブログ

まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2011年06月27日

おはよー
すいようー
6月27日、晴れー


そんな訳で、今日は、散歩に行ってきました。
すると懐かしい人と出会った。


「一君」


散歩の途中、俺は懐かしい声が俺の耳に入って来た。
俺が、振り向くとこっちに向かってくる女の子が俺の視界に入って来た。


「萌ちゃん?」


俺は、目を丸くさせて驚いた。
彼女の名前は、川田 萌(かわだ もえ)


俺の幼馴染の1人。


「一君どうして病院に居るの?」

「いやちょっと具合が悪くてな……
 入院しているんだ」


自分が、癌だなんて言いにくかった。

自殺未遂を犯しただなんて言えなかった。


「そっかー」

「萌ちゃんこそどうしたの?」

「私は、宅配だよ」

「そっか……」


萌ちゃんの家は、喫茶店をやっている。
だから、その手伝いなのだろうと思う。


「萌ちゃん、見ない間にずいぶん美人になったね」

「もしかして口説いてくれてる?
 でも、私結婚したんだよー」

「そっか……」

「うん。子供も2人いるよ。
 相手、誰だと思う?」

「もしかして、太郎か?」

「え?
 どうしてわかったの?」


萌ちゃんは、目を丸くさせて驚いた。

「勘かな……」

「一君の勘、昔からいいよね」

「そうだな。
 俺が、唯一自慢できる特技だな」

「宝くじとか買わないの?
 もしかしたら、大当たりするかもだよ?」

「そうだな……
 退院したら買ってみるよ」

「うん♪」


萌ちゃんが、笑う。
嬉しそうに笑う。

この笑顔に何度救われただろう……


「おかーさーん!」


子供が、そう言って俺達の方に近づいてくる。


「この子が、息子さん?」

「うん♪
 瓜って言うの、かっこいいでしょ?」

「そうだな……
 太郎の面影も少しあるな」

「でしょ?
 瓜は、お父さん似なんだー」


萌ちゃんが、そう言うと瓜君の頭を撫でた。


「お母さん
 お客さんいっぱい来てるよ?」

「え?」

「お父さん、目をクルクルと回しているよ」

「それは、大変!
 一君、今度ゆっくり話そう!
 私は、昔と同じ喫茶店で働いてるからさ!
 時間がある時に来てよ!」

「ああ。
 必ず行くよ」


俺は、そう言って子供と一緒に走り去る萌ちゃんに手を振った。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。