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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年07月07日


今日は、七夕。
子供たちは、願い事を短冊に書いている。
歩ちゃんも充君も元太君も隼人君も愛ちゃんも書いている。


「お兄さんも何か書かないの?」


歩ちゃんが、そう言って俺に短冊を差し出す。


「俺はいいよ」

「お兄さんは、願い事は無いの?」

「そうだね。
 願い事なんてないよ」

「歩はねー。
 願い事いっぱいあるよー」

「そうなのか?」

「うん!」


歩ちゃんが嬉しそうに笑う。


「何を書いたんだ?」

「内緒だよー」


歩ちゃんは、えへへと笑うと隼人君たちの所に戻って行った。


「ホントに何も書かないの?」


萌ちゃんが、俺の後ろからひょっこりと現れた。


「あ、萌ちゃん。
 短冊のこと?」

「うん。
 私はいっぱい書いたよー」


萌ちゃんは、そう言って3枚の短冊を裏向けに見せた。


「何を書いたの?」

「内緒♪」


萌ちゃんは、そう言って笑う。


「あー。
 兄ちゃん、浮気してるぞー」


元太君が、そう言ってこちらに小走りで近づいてくる。


「浮気じゃないぞ」

「あー。
 また、綺麗な人を……」


充君が、そう言って軽蔑の眼差しを俺に向ける。


「お兄さん、モテなさそうなのにねー」


歩ちゃんが、そう言って笑う。

愛ちゃんと隼人君は無言で俺の方を見ている。


「えっと……」

「残念だけど、私人妻なんだー。
 だから、亜金君とは、そんな関係じゃないんだよー」


萌ちゃんが、そう言って笑うと子供たちは何故かがっかりとした表情を見せた。
なんだ?
そんなに残念なことなのか??


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