SSブログ

まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年07月24日


明日、萌ちゃんは退院する。
事情を知らない瓜君と桃ちゃんは大はしゃぎで俺の部屋でポケモンをしている。

もちろん俺の部屋に来ているのは、瓜君や桃ちゃんだけじゃない。
いつものメンバーである歩ちゃんたちも来ている。


「明日、お母さんが帰ってくるんだー」


桃ちゃんが、嬉しそうに元太君に言う。


「いいよなー
 俺なんか、母ちゃんと2日くらい会ってないぞ……」


元太君は、そう言ってため息をつく。


「私も暫く会ってなーい」


歩ちゃんも呟く。


「僕、父さんも母さんもいない」


隼人君が小さく呟く。


「え?」


全員が、隼人君の方を見る。


「自殺したんだ……」


全員が黙る。


「あの。
 ごめんなさい」


瓜君が謝る。


「うんん。
 お母さん、大事にしてあげて」


隼人君が、そう言うと桃ちゃんが大きく頷いた。


「うん!
 大事にする!」


隼人君の両親は、自殺したのか……
隼人君の左目の眼帯と関係してるのかな?
まぁ、それは触れないでおこう。


「愛ちゃんのお母さんは、どんな人?」


歩ちゃんが、愛ちゃんに尋ねた。
愛ちゃんは、悲しい表情を浮かべた。


「わかんない」

「え?」


歩ちゃんが、少し困った顔をした。


「私、捨て子だから……」


あー。
どんどん墓穴を掘っていく……


「ご、ごめん」


歩ちゃんが、小さく謝る。


「気にしなくていいよ。
 僕も愛もあの人らのこと親だとは思っていないから……」


その言葉は、深くそして重かった。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。