まっしろなティスタメント（小説）

2012年09月07日


あぁ、暇だ。

子供たちは授業。
美穂は仕事。

そして、朝の5時過ぎにメールが来てそれで目が覚めて、眠れなかったので起きた。
だからか、とっても眠い。

でも、眠れない。

何故なら俺は、睡眠障害だから、睡眠薬なしでは眠れない体になったのだ。

あまりいいことじゃないんだろうけどね。


さて、俺はどうしようかな？

眠気冷ましに公園でも散歩するか……

公園を散歩していると、山本さんがベンチの上でぼーと座っていた。


「あ、山本さん。
　おはようございます」

「ああ、亜金君か。
　おはよう」


山本さんは、元気が無い。


「なんかあったんですか？」


俺は、ストレートに聞いてみた。


「明日、娘の、夢叶の婚約者が来るんだ……」

「そ、そうですか……」


気まずいんだろうな。


「なぁ、亜金君。
　お願いがあるのだけどいいかい？」

「お、俺に出来ることなら……」

「一緒に会ってくれないか？」

「へ？」

「夢叶の婚約者と一緒に会ってくれないか？」

「ええ……？」

「会うだけでいいんだ」

「俺なんかが立ち会ってもいいんですか？」

「ひとりじゃ不安なんだ……」

「奥さんは？」

「妻ももちろんくる。
　だけど、妻は娘の味方なんだ」

「そ、そうなんですか……」

「一緒に来てくれないか？」


山本さんには、世話になっている。
断ったからと言って何かをするって人じゃない。


「わかりました」


でも、俺は、断れなかった。
情けないな……


でも、誰かの力になりたい。
そう思えたことは、俺の心も少しは余裕が出来たってことなのかな？