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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年10月5日


晴れ。
だけど、少し肌寒い。

外を歩いても友達が居る訳ではない。
顔見知りはいるけれど……
知人未満だ。


山本さんは、色んな人と交流が合った見ただけど……
俺は、友達を作るのが苦手だ。


そんな俺だけど、子供たちは気に入ってくれているみたいで、ほぼ毎日俺の部屋にやってくる。


でも、来てくれるのは夕方だ。
昼間は1人で、廊下をブラブラしたり晴れの日は庭をブラブラしたりしている。


でも、物凄く暇だ……


暇で暇でたまらない。

でも、どうすることもできない。


病院に来て、5ヶ月を迎える。

未だ、大人の病院友達は、今は亡き山本さんだけだ。
俺がブラブラしていると。


子供たちが、絵を描いている姿が目に入った。


「あ!お兄さんだ!」


歩ちゃんが、俺の方に近づいてくる。


「ああ。
 こんにちは」

「お兄さん、こんにちは!」

「今日もお絵描きか?」

「うん!」


歩ちゃんは、少しだけ笑った。
よかった、笑えるようになったんだな……


「亜金の兄ちゃん、いつも1人でいるけど友達いないのかよ?」


元太君が、俺の心をグサリと刺す。


「悪いな、俺は友達は少ないんだ」


うん、これは病院とか関係なく少ないぞ。


「寂しですね」


充君が苦笑い。


と言うか、充君の顔色が少し悪い。


「充君、顔色悪いけど大丈夫?」

「薬の副作用でこんなんなんです。
 僕もいつお迎えが来るかわかんないです」

「そんな寂しいこと言うなよ」

「いいんです。
 遅かれ早かれ人は死ぬのですから……」


隼人君が冷たい口調で言う。
その目は、冷たくそして寂しそうだった。

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