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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年10月07日


今日は、朝の6時前に目が覚める。

もう一度寝ようとしてもなかなか寝付けず。

目を開ける。


「散歩でもするか……」


俺は、熟睡している美穂を起こさないように俺は部屋を出た。


流石、6時前。
待合室には、誰もいない。


待合室で自販機を見るとあたたかい飲み物が、あった。
そっか、もうそろそろそんな時期なんだな。
そう思うと朝晩は冷える気がして来た。


とりあえず、俺はペットボトルの暖かいお茶を買った。


一口口に運ぶ。

ほんのりと体が、暖かくなった。

冷たいのも良いけど、たまには暖かいモノもいいな……


俺は、まったりとお茶を飲んでいた。

すると充君が、近づいて来た。


「どうした?
 眠れないの?」


俺は、充君に尋ねた。


「はい。僕、13日に手術なんです……」

「そっか。
 頑張れよ」

「はい……」

「ジュース飲むか?
 奢ってあげるよ」


俺は、ゆっくりと立ち上がった。


「ありがとうございます」


充君が、苦笑いを浮かべる。


「元気ないな?
 手術が成功したら退院できるんだろ?」


俺は、そう言って自販機にお金を入れる。


「成功はないんです。
 ただ、死ぬのを伸ばすだけ……」


充君は、そう言って辛そうな顔をした。

そっか、ここは、そう言う病院だったね……


「あ、でも、元太君は助かりますよ?
 あの人は、盲腸が悪化して、その治療で入院しているだけですから……
 だけど、僕と歩ちゃん愛ちゃんは、違う。
 みんな重度の白血病なんです……」

「そっか……
 ところで、隼人君は何で入院しているんだ?」

「あの人は、事故で左目を失って入院しているらしいです。
 噂だと事故じゃなく、無理心中らしいです」

「え?」

「車の中で、ご両親が妹さんと一緒に練炭自殺。
 隼人君は、車の外に出ている時でした。
 車に、練炭の火が燃えうつり爆発したそうです。
 引き取り手が居ないから、この病院に残っているみたいです」

「みんな色々あるんだな……」

「はい……」


俺は、少し胸が痛くなった。


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