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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年10月23日


雨。
今日は、雨の音で目が覚める。
雨の匂いは好きだ。
雨の日は良く眠れる。
だけど、今日は違った。
二度寝をしようと思ったけど出来なかった。

俺は、体を起こした。


「ん……?
 亜金、起きた?」


美穂は、俺の方を見て笑う。


「ああ……
 雨、激しいね」

「うん」

「ちょっと歩ちゃんの様子見てくる……」

「あ、私も行く……」


美穂は、そう言ってベッドから降りる。


「じゃ、行こうか……」


俺もベッドから降りた。
すると美穂が、俺の手を握る。


「え?」

「仲良しこよし♪」


美穂が、笑う。
お俺は苦笑いを浮かべたあと、美穂と手を繋いで歩ちゃんの病室へと向かった。


歩ちゃんは、個室で眠っている。

治療は、なんとか終わったけど、銘さん曰く、意識が回復するかしないかの確率は五分と五分らしい。

充君に続いて歩ちゃんまで?

俺は、ただ歩ちゃんの姿を見ることしか出来なかった。


歩ちゃんの部屋を出ると稲穂さんが、立っていた。


「亜金さん来てくれたんですね……」

「あ、おはようございます」


稲穂さんは、俺の手に視線を移す。


「彼女さん?」


稲穂さんが、苦笑いを浮かべる。
どうして、苦笑い?


「あの貴方は?
 もしかして、亜金の新しい浮気相手?」


美穂が、稲穂さんを睨む。


「えっと、歩ちゃんのお母さんだよ」


俺が、そう言うと美穂は安堵のため息をつく。


「そう……
 なら、いいけど……」


2人は、軽く自己紹介を済ませ俺と美穂は俺の病室に戻った。


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