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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年11月08日


木曜日。

花粉症が鼻を刺激してくしゃみが止まらない。
鼻が乾燥して痛い。


少し外を歩く。

今日は、少し暖かく。
風がなければ、少し暑いくらいだった。


病院内にある公園に向かえば、子供たちが賑やかに絵を描いている。
その中には、隼人君や愛ちゃんの姿があった。


「亜金さんだ……」


愛ちゃんが、俺に気付くと俺の方に小走りでやってきた。
隼人君は、ゆっくりと近づいてくる。


「暇なんだね」


隼人君が、苦笑い。


「入院中は、暇なもんだ」


俺も苦笑いを浮かべる。


「そんなもん?」

「ああ、そんなもんだ」

「亜金さん、暇なの?」


愛ちゃんが、目をキラキラと輝かせる。


「まぁ、そうだけど……」

「じゃ、亜金さんも絵を描こう」

「え?」

「その『え?』は、『絵』ともじってますか?」


そう言ってはるか先生が、お絵かきセットを持って現れる。


「もじってません……」

「とりあえず、亜金さんも『ひと描き行こうぜ!』」


はるか先生が、嬉しそうに笑う。


「はるか先生、それ少し古いし何か違う……」

「要は、気合よ!気合!
 気合があれば、何でもできる!」

「本当に気合だけで何でもできますか?」

「え?」


はるか先生が、困った表情を浮かべる。


「いえ、何でもありません」

「相談なら、いつでも聞きますから、いつでも言ってくださいね!」

「はい、ありがとうございます」

「んじゃ、絵を描きましょう!」


はるか先生が、そう言って俺にお絵かきセットを渡してくれた。

とりあえず、俺は颯爽と絵を描いた。

うん。

とっても下手だ……


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