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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年11月18日


晴れた日曜日。

今日の朝、隼人君が愛ちゃんを背負って帰ってきた。

愛ちゃんの様態は最悪だった。
辛うじて意識を保っていた……


それを病院の外で見つけたのは俺だった。


「隼人君が、愛ちゃんを連れ出したのかい?」

「……うん」

「どうして!?」


俺が、怒鳴ろうとしたとき美穂が、俺の手をぎゅっと握った。
美穂は、愛ちゃんの方を見ている。


愛ちゃんの表情が明るい。


「昨日、徹夜で星を見たんだよ……
 でも、雨で全然見れなかった……」

「そっか……
 残念だったね」


美穂が、隼人君の目線に合わせて話す。


「うん」


隼人君の表情は、今にも泣きそうだ。


「はぁ……
 疲れただろう?
 とりあえず、病院の中に入るぞ」

「うん」


俺は、愛ちゃんを抱きかかえると美穂と隼人君と一緒に病院の中に入った。


「隼人君!愛ちゃんも!」


千晴ちゃんが、心配そうに駆け寄ってきた。
そして、そのまま愛ちゃんを愛ちゃんの病室に連れて行った。


愛ちゃんの祖父母も病室にいた。


隼人君は、深々と頭を下げて誤った。


「ごめんなさい……」


しかし、愛ちゃんの清輔さんもも希世さんも怒らなかった。
それは、愛ちゃんの表情を見れば怒る気も失せるだろう。
愛ちゃんの表情は、物凄く明るく嬉しそうで幸せそうだった。


「隼人君……
 ありがとうね」


希世さんが、そう言って隼人君を抱きしめる。


「え?
 愛ちゃんのこんな顔、久しぶりに見たよ」


清輔さんが、そう言ってニッコリ笑った。


「お爺ちゃん、お婆ちゃん。
 あのね昨日の夜、隼人君と徹夜で星を見たんだよ。
 でも、雨でずっと見れなかったんだー」

「そうか……
 疲れただろう、2人とも今日は休みなさい……」


愛ちゃんの笑顔を見た清輔さんがそう言ってベッドに横になる愛ちゃんの頭をなでた。


「うん!おやすみなさい」


愛ちゃんは、そう言って静かに眠りについた。


「隼人君も眠りな」


俺は、そう言って隼人君を病室まで連れて行った。
とりあえず、2人とも無事でよかった。

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