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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2012年12月10日


俺は、玉藻と一緒に御幸の事務所に向かった。
御幸の事務所は、一軒家になっている。

社員は数人いるモノの御幸はそこで一番の偉いさんだ。
つまり御幸の自宅で弁護士事務所を開いているのだ。

立派なヤツだよ。
啓司も御幸も。


俺は、御幸の秘書に案内され御幸の部屋に入る。


「あれ?亜金じゃないか?
 亜金が外に出るなんて珍しいじゃないか?
 風邪でも引いたのかい?」


御幸が笑顔で言った。


「風邪ひいてここに来る馬鹿はいない」

「そうだな。
 それもそうだ」


御幸の顔は、真面目な表情になる。


「時間は取らせない。
 聞きたいことがあるんだ」

「僕にわかることなら何でも聞いてくれたまえ」

「蛭魔 梶夫って知っているか?
 能力リストにあるかないかだけ知りたいんだ」


御幸は、眼鏡の縁を一指し指で軽く上げる。
御幸は、集中する時、メガネの縁を人差し指に触れる。
今も集中してくれているのだろう。


3秒ほど待った。


「能力者リストにはいないようだ」

「そうか、ありがとう」

「ソイツが、何かしたのかい?」

「俺と啓司が追っている、連続婦女暴行殺人事件の犯人かもしれないんだ」

「なんだ、仕事関係か……」

「ああ、すまないな」

「気にしないでくれたまえ。
 俺と亜金の仲じゃないか」

「ああ……
 そうだな。
 にしても凄いね御幸は……」

「何がだい?」

「こんな立派な家に秘書まで居て……」

「僕から言わせれば亜金の方が凄いぞ」

「え?」

「大きな屋敷にこんな綺麗なメイドさんもいる」


御幸は、そう言って玉藻の方を見る。


「俺の金じゃない。
 爺ちゃんの金だしね……」

「まぁ、玉藻ちゃんは亜金の奥さんみたいなもんか……」

「私は、こんな甲斐性なしの妻にはなりたくない」

「玉藻ちゃんは、いつも辛口だね」

「甘口の玉藻なんてしらないな」


俺が、そういうと玉藻は俺の頭にチョップする。
少し痛い……
でも、わかったことがある。
蛭魔 梶夫は、ルシファーだと言うことだけだ……

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