SSブログ

ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2012年12月17日


「亜金!
 玉藻ちゃんが、さらわれたって本当か?」


啓司が、そう言って俺の部屋に入ってくる。


「ああ……
 そうみたいだ」


既に俺の部屋にいる御幸が答える。


「亜金、何をしているんだ?
 早く助けに行かないか!」


啓司が怒鳴る。


「蛭魔が要求している美少女が用意できない」

「は?」

「昨日、蛭魔が言ったんだ」


俺は、啓司と御幸に昨日の出来事を話した。


「それじゃ、まるで生贄じゃないか……」


御幸がため息をつく。


「俺たち3人で戦えば蛭魔ごとき……」


啓司が、そう言うと御幸が首を横にふる。


「いや、玉藻ちゃんが蛭魔の手に落ちている以上、玉藻ちゃんは、すぐにでも殺されるだろう」

「だったらどうしたらいい?」


啓司が御幸の方を見る。


「それより気になることが……」


俺は、2人の顔を見て言葉をつづけた。


「玉藻もギフト能力者だってことを忘れてない?」

「あ……」


2人が、顔を見合わせる。


「そう言えば、玉藻ちゃんは、ワープのギフト能力者だったね……」

「うん。
 一度行った場所になら、いつでもどこでも誰とでも移動できる能力。
 その気になれば、いつでも戻ってこれるはずなんだけど……」

「戻ってこないんだね……」

「たぶん、俺が行くのを待ってるんだ……
 早くいかないと『遅い』って怒られる……
 かと言って美少女を用意するあてもない」


俺は、頭を抱えた。
そして、俺は思いついた。


「俺、1人で行く……」

「え?」

「美女に変身できるから……」


俺は、そう言ってメガネをかけた蛭魔がすきそうな美少女に姿を変える。


「頑張ってこい」


啓司は、そう言って俺に手を振る。


「僕たちは、待ってるよ」


俺は、その姿のまま枚方工場跡地に向かった。
続きは、明日。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。