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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年01月10日


曇り。
俺は、御幸の弁護士事務所へと向かった。
俺が、ビルの入り口で受付をしていると後ろから声をかけられる。


「あ、亜金じゃないか!」


御幸が嬉しそうな声で俺の方を見る。


「あれ?
 御幸、もしかして、今から仕事?」

「ああ。
 亜金が、ここにいるってことは僕に用事かい?」

「うん。
 ちとギフト能力者について調べてほしいことがあったんだけど……
 忙しいのならまた今度でいいよ」

「どんなギフト能力者のことだい?」

「駄洒落を具現化させる能力者について……
 なんだけど……」


俺が、そう言うと御幸の表情が変わる。


「ちょっと車の中で話そうか」

「え?」

「ささ……
 亜金さんも車の中へ……」


そう言って御幸の秘書をやっている爺やが、俺の背中を軽く押す。
御幸は、無言で車の中へ入り、俺の爺やの誘導で車の中に入った。
車は、静かに動いた。


「今から行く場所に亜金が聞きたい能力者のヒントがあると思う」

「どういうこと?」

「今回、僕が引き受けたのは被害者の1人。
 水菜 夕貴と言う女の子の所だ……」

「いいのか?
 それって個人情報にかかわるんじゃ……」

「彼女は、その能力者に乱暴され、そのショックで言葉を失った。
 つまり、犯人は男だ……
 丁度、僕は、亜金にその犯人の捕獲を依頼しようと思っていたんだ」

「捕獲って、俺は警察じゃないぞ?」

「水菜って、名前でピンと来ないかい?」

「え?」

「国会議員の1人だよ」

「あー」


俺は、全く興味がないので全くわからないけど、わかったふりをした。


「娘が、乱暴されたとなれば世間が騒ぐだろう?
 水菜さんは、それが嫌らしい。
 だから、内々で捕獲……
 その後、警察に引き渡すって方法を望んでいる」

「あんまり変わらないような……」

「公開捜査を望んでいないんだ」

「そっか……
 って、俺、探偵じゃないぞ?」

「似たようなものだろ……
 そろそろ病院に着く頃だ……」


車が、病院の駐車場に止まる。
そして、俺たちは、病院の中に入った。

明日に続く……


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