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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年01月26日


今日は土曜日。
晴れたり曇ったり風が強い。
そんな寒い中……
病院の公園でライブをしようとするバカがいる。
俺は、そのバカに半ば強引にチケットを渡され、そしてそのライブへ……
夕貴さんと一緒にライブに向かった。
ライブ会場は椅子が沢山あった。
みんな病院の患者さんばかり。
子供からお年寄りまで……
沢山の患者さんが、歌の歌を求めて集まる。
歌もギフト能力者。
歌に力を込めることも出来る。

どういう能力化と言うと、元気になる歌を歌えば、みんな元気になる。
悲しい歌を歌えば、みんな悲しくなる。
ラブソングを歌えば、みんな歌が好きになる。

そして、聞いている音楽によって使える能力が変わると言う……

この2つの能力が、歌のギフト。
何を代価にして得たのかは、わからない。
俺たちは、指定された席に座ると隣のお兄さんに声を掛けられた。


「お、君たちも、歌君の歌を聴きに来たのかい?」

「はい……」

「彼の歌、心に響くだろう?」

「そうですね」


まぁ、ギフト能力使っているしね。


「隣の女の子も歌君の歌が好きなのかい?」


夕貴さんが、何度も頷く。


「良い歌だよね」


夕貴さんが、再び頷く。


「ユーたち、乗ってるカー?」


歌が、ステージにたち患者さんたちに声をかける。
すると患者さんたちも元気に返事をする。


「乗ってるようだネー!
 じゃ、ミーは、ユーたちに問う!
 何に乗ってるんだイ?」

「えー!」


会場のほとんどの人が笑う。


「ミーは、歌うよ!
 ミーの歌よ!響け!!」


歌が、歌を歌い始める。
みんなの心が高まっていくのがわかる。
だけど、何かがおかしい。
俺は、この空気の異変に気付いた。
隣の席が、空いている。


「花園 歌……
 君の能力を貰いに来た」


先ほど隣の席に座っていた男だ。


「ムム?
 ユーは、誰だネ?」

「別に名乗るほどのモノではないよ」


男は、そう言って歌の方に向けてナイフを投げた。
俺は、ファンネルで、そのナイフを弾いた。
なんとか間に合った。

会場がざわめきはじめ、やがてパニックになる。
そう、これは、長い一日の始まりだった。

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