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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年02月04日


月曜日、雨。


昨日、杉浦さんに渡された資料を基に淀屋橋の方まで玉藻と一緒に向かった。


「うわぁー。
 すっかり雨だね」

「ああ……
 そうだな」


玉藻が、真剣な表情で空を見つめる。


「どうしたの?」

「亜金は、感じないか?」

「何を?」

「いや、私の気のせいかも知れない」

「うん?」


俺は、首をかしげたけれど玉藻は、それ以上語らなかった。
しかし、駅から出て数メートル歩いた時、駅から爆発音が聞こえた。


「え?
 何?」

「爆発音のしたところに行くぞ!」


玉藻が、そう言うと俺たちは、駅の方に向かった。

駅の惨状は、酷かった。
肉に焦げるにおい。
生き残った人のうめき声……

だけど、火薬のにおいなどは、一切しない。


どういうことだ?


「火火火火火火……」


不気味な男の笑い声が聞こえる。
その声に殺意に似たモノを感じた。


振り返ると左腕が燃えている男が、俺の背後に立っていた。
俺は一瞬驚く。
そして、反射的に水の魔法を使い男の左腕に使った。
消火のためだ。

だけど、その左腕の火は消えなかった。


「そうか……
 お前が、亜金か……」


男が、不気味に笑う。


「亜金!そいつから離れろ!」


玉藻が、そう言って俺の腕をつかむ。
そして、数メートル後ろにワープした。


俺がいた所には、火柱が立っていた。


「そうこなくては、おもしろくない……
 顔合わせはすんだ。
 じゃぁな!」


男は、笑うと何処かへと姿を消した。
なんなんだ?アイツは……
アイツが、この爆発の犯人なのか?

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