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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年02月18日


月曜日、雨……
病室内にて俺は、再び金縛りにあう。
この感触……


また、夢ちゃんだな。


「夢ちゃんかい?」


俺は、やっと動く口でそう尋ねた。


「あら、流石に何度もやるとわかるようになるのね……」

「まぁ、夢の中で金縛りにするなんて、夢ちゃんくらいしかいないからね……」

「私たちの忠告は聞けたかしら?」


夢ちゃんが、クスクス笑いながら姿を現す。


「恋次は、渡せないよ?
 それに、俺にそんな権限はない……」

「私のことを好きにできるのに?」


夢ちゃんが、色っぽい声で言う。


「子供には興味ないよ」

「私、こう見えても17歳よ?
 女子高生よ?亜金、私に興味ない?」

「女子高生は、まだ子供だよ」


夢ちゃんが、そう言うと頬を膨らませておこる。


「ドーテーのアンタよりかは大人よ!
 経験だって私の方が何倍も上なんだからね!」

「俺の経験は、0だからその経験が何倍でも数は0だぞ?」

「口の減らない人ね……」


夢ちゃんは、そう言って俺のベッドに横になる。
そして、俺の耳元でささやく。


「夢の全部あげちゃうぞ」

「そうやっていろんな男の人と寝てきたの?」

「それしか、私があの人の役に立てる方法はないから……」


夢ちゃんの表情が一瞬曇る。


「……嫌じゃないの?」

「私は、あの人の役に立てるのならそれでいい。
 いつか、私に振り向いてもらえるのなら……」

「もっと自分を大事にしなくちゃダメだよ」


俺は、そう言って静かに笑った。


「アンタに!アンタに何がわかるのよ!
 もういいわ!交渉決裂!枚方を火の海に変えてやるんだから!」


夢ちゃんの怒鳴り声と共に俺は、金縛りから解放され夢から解放された。


「……はぁ」


俺は、ため息をついた。


「寝起き早々ため息……
 倖せが逃げえていくぞ……?」


啓司が、そう言って朝食をベッドについているテーブルに置いてくれた。


「ああ、実は――」


俺は、事の軽油を啓司に話した。


「そうか……
 本部にすぐに戻って連絡してくる」


啓司は、そう言って足早に俺の病室を出た。
さて、俺はいつ退院できるのだろう?

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