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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年02月20日

水曜日、曇り。
俺は、バニッシュと言う姿を隠す魔法を使い病院を抜け出した。

そして、俺は1人の男を呼び出した。
俺たちとは別グループに存在し、俺が唯一苦手とする男……

王 卓也(おう たくや)。

間違ってもオタクと言ってはいけない。
言えばヤツのギフト能力での報復を受けるだろう。


「お前から、連絡をくれるなんて珍しいな」


王は、そう言って俺の方を威圧的な目で見る。


「ああ。
 少し頼みが合ってな」

「なんだ?
 頼みってなんだ?」

「修行をしてくれ」

「は?」


王の目が細くなる。


「どうしても倒したい奴がいるんだ」

「ほう……
 まぁ、いいだろう」

「いいのか?」

「俺も、火蛾には腹を立てている」


王の目がさらに細くなる。


「火蛾の事を知っているのか?」

「俺もジャーナリストの端くれ……
 それくらいの情報ならいくらでも入ってくる。
 お前が、特務捜査官に入ったこともな」

「……そうか」

「だが、火蛾を倒すのは俺だ」

「え?」

「アイツは、あの病院を放火した時に、俺の友達を殺した」


王が、下唇を噛む。


「そうか……」


俺は、あえて深く聞かなかった。
聞いたところで答えてくれないだろう。


「それにお前の相手は、白銀なんだろう?」

「まぁ、そうだけど……」

「まぁ、修行は、正式にお前が病院を退院してからだ」

「え?」

「お前の連れが、後ろで睨んでいるぞ?」


俺は、振り向くとそこに頬を膨らませた夕貴さんが、そこに居た。


【病院抜け出したらダメです】


夕貴さんが、フィリップにそう書いていた。
そして、俺は夕貴さんに手を引かれ病院に連行された。
王は、そんな俺の姿を見てケラケラ笑っていた。
その後、俺は病院内でこっぴどく叱られたのは言うまでもない。

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