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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年03月10日

日曜日。
雨になるらしい。


「では、各自!
 それぞれが、潜入する戦闘ルートに配置に向かえ!」


王が、指示を出す。


「了解!」


俺が、そう言うと里杏ちゃんが、心配そうに俺を見る。


「亜金さん、死にそうになったらいつでも戻ってきてね!
 どんな傷でも見てあげるから!」

「なんで、俺だけに言うんだ?」

「だって、貴方が一番弱そうなんだもん」

「なんか、軽く傷つくぞ……」

「残念!心の傷は治せません」


里杏ちゃんが、そう言うと見送りに来てくれた夕貴さんが笑う。
そして、フィリップに文字を書く。


【無事に帰ってきたらご褒美をあげます】


俺は、その言葉に胸をときめかせる。


「ご褒美ってなに?」


【内緒です】


そう書かれたフィリップを持つ夕貴さんの顔は、照れていた。


「浮かれて死ぬなよ」


玉藻が、冷たく言い放つ。


「死ぬか。
 俺は、生きて帰るぞ」

「ああ。
 お前ら、全員生きて帰って来いよ!」


玉藻が、そう言うと俺と歌、王と隼人君は頷いた。


「では、行くぞ!」

「ああ!」


俺たちは、玉藻が、それぞれの配置に行くように作ったドアを開け、俺たちはその中に入った。
目の前には、楽しそうに笑う白銀が居た。
物凄い、狂喜を放っている。

俺は、心を落ち着かせる。


ゲームの技を増やすんじゃない、その技を究めることが重要なんだ。
俺は、そのことに気付いたのは、少し遅かったのかもしれない。
でも、やるんだ。
でも、戦うんだ。


俺は、心を沈ませる。


そして、剣を召還させる。
剣の名前は、プレゲトン。

炎の河と言う名を持つ剣。


「プレゲトン、行くよ……」

「わかってる。
 くれぐれも死ぬんじゃないわよ!」

「ああ……」


こうして、俺たちの長い戦いが始まる。
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