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ピノの旅(小説) [ピノの旅]

――03月20日


俺は、現在説教部屋に入れられている。
小さいころからお世話になっている、エルフの女の人清空さんと、同じくエルフの白銀さん、そして俺より一つ年上のシエラ姉さんが、俺の館にやってきた。

プレゲトンが呼んだのだ。
ピノは、シエラ姉さんと一緒に館の庭でボール遊びをしている。
そして、今は、清空さんと白銀さんから怒られている。


「人体錬成は、禁術なんだぞ?」


清空さんが、低い声で言う。


「錬成じゃないよ。
 魔法人工生命体だもん」


俺は、言い訳にならないような言い訳を言う。


「まぁ……
 人体錬成は、成功したモノは誰もないない。
 それを成功させたことに関しては、褒めてやる」


清空さんが、ニッコリと笑い俺の頭を撫でる。


「そうだな……
 この子は、成功体と言えるかもしれない。
 でも、亜金。
 どうして、人体錬成が禁止されているか、わかるかい?」


白銀さんが、俺に尋ねる。


「神の領域の実験だから?
 俺は、そう習ったよ」

「そうか……
 亜金は、そこまでしか習ってないのか……」


白銀さんが、窓の外から見える庭を見て言葉を続けた。


「理論上、魔法人工生命体。
 即ちクローンは、長生きできない」


白銀さんのその言葉に、俺の頭の中が真っ白になる。


「ピノは、大丈夫かも知れないじゃないか!」

「大丈夫と信じたい気持ちがあるのはわかる……
 だけど、現実はいつも残酷だ。
 あの子の命は、半年持てば良い方だ」

「え……」

「人を人工的に作るってことは、そう言うことなんだ……」


白銀さんが、切ない目でピノを見る。


「そんなの言われたって……」

「まぁ、やったもんは、仕方がない」


清空さんが、そう言ってため息をつく。


「亜金君。
 君が、ピノちゃんの為に出来ることを探すんだ」

「うん」

「問題なのは、ピノちゃんの魔力だ……
 ピノちゃんの巨大すぎる魔力は、この館からダダ漏れだ。
 軍に知れたら、製造法を聞きだされ戦争の材料に使われる」

「戦争?」

「ああ。
 短い命でも、戦力になる魔力。
 そして、それを無限に増やせる……」


ピノが、戦争に使われる?
もしかしたら、俺はとんでもないモノを作ってしまったのかもしれない。

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