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ピノの旅(小説) [ピノの旅]

――4月5日


桜舞う季節。
俺は、旅に出る支度をし終えた。


「ピノ、準備はできた?」


俺は、そう言ってピノの方を見る。
ピノは、元気良くうなずくと俺の手を握り締める。


「ピノ、亜金と冒険するー」

「冒険と言っても春の町だよ?
 すぐそこだよ」


俺が、そう言うと清空さんが、ニッコリと笑うとこういった。


「ピノにとっても亜金にとっても初めての外出だろう?
 だから、すぐそこだが、ゆっくりしてこい。
 宿の手配も済ませておいた」

「ありがとうございます!
 ピノもお礼を言って」


俺が、ピノにそう言うとピノは、清空さんに頭を下げた。


「清空さん、ありがとー」

「さ、そろそろ出ようか?」


プレゲトンが、そう言って俺とピノの手を握り締める。


「え?
 プレゲトンも行くの?」

「当たり前だろ?
 私は、お前たちの保護者だ!」

「お友達いっぱい楽しいねー」


ピノが、はしゃぐ。
俺も少し安心した。
俺もピノも外の世界を知らない。
なので、外の世界を知っているプレゲトンが、一緒だと旅も安心だ。


「荷物は、財布以外EDの中にしまうぞ!」


プレゲトンが、そう言って庭に向かう。
俺たちも、庭に向かった。


「荷物多いね……」


俺は、目を丸くさせて呟く。


「女の子は、荷物が沢山必要なのだ」


プレゲトンが、そう言うとピノも続く。


「なのだー」


ピノは、楽しそうだ。


「で、町まではEDで行くの?」


俺が、そう言うとプレゲトンは、首を横に振る。


「いや、歩いていく。
 今の季節、ここから町の道はED禁止区域なのだ」

「どうして?」


俺の問いに清空さんが、答えてくれる。


「桜が散るだろう?」


俺は、その言葉に納得した。
折角の桜道もEDが、行ったり来たりしたら散るだろうしね。

明日から、暫くこの館を出てプチ旅行だ!

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