SSブログ

ピノの旅(小説) [ピノの旅]

――4月6日


桜の舞う季節。
俺たちは、館を出る。


荷物は全てEDの中に入れた。
EDの中に入れると召喚した時にまた取り出せるから便利なのだ。


「あきーん。
 お空が青いよー。
 道が、どこまでもあるよー」


ピノがはしゃぐ、走る。
そして、コケる。


「ピノ、大丈夫?」


俺は、駆け足でピノに近づく。


「あきーん。
 膝からなんか出てきたー」


ピノは、そう言って血を見て涙目で俺を見る。


「これは、血と言うんだよ」

「血?」

「うん」

「亜金……
 痛いよー」


ピノが、泣く。


「亜金、回復魔法をかけてやれ」


プレゲトンが、そう言うと俺の肩を叩く。


「あ、うん」


俺は、頷くとピノにヒールと言う回復魔法を唱えた。


「あきーん。
 あったかーい」


ピノが、はしゃぐ。


「ピノ動かないで……」

「はーい」


ピノは、じっと回復魔法が終わるのを待った。
と言っても数秒なんだけどね。


「はい、終わり」


俺は、ピノの頭を撫でる。


「亜金、ありがとー」


ピノは、俺に抱き着く。
なんか、恥ずかしい。
ピノは、再び走り出す。


「こら!
 走るとまた転ぶぞ!」


プレゲトンが、そう言った矢先、プレゲトンは3人組の男にぶつかった。


「いてーな」


男Aが、ピノの体を右手でヒョイっと持ち上げる。


「右腕腕折れたなこりゃ……」


右腕、動いてるじゃん。
俺は、心の中で突っ込んだ。


「慰謝料を払ってもらおうか?」


男Bが、俺とプレゲトンを睨む。
だけどそれ以上にプレゲトンは、男3人を睨んでいた。


「ほう慰謝料とな?
 幾らだ?」

「5万円だな」


男Cが答える。


「……そうか。
 亜金、私を持て。
 そして、あの男の右腕を斬れ!」


プレゲトンは、さらっと怖いことを言った。
男たちは、ピノを俺の方に投げ飛ばす。


「おい!てめぇらやっちまえ!」


男たちが、一斉に襲ってきた。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。