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ピノの旅(小説) [ピノの旅]

――4月7日


今日は、旅の宿でゆっくりと桜を眺める。
昨日の男たちは、一瞬で片づけた。
プレゲトンがいるからね楽勝だった。
プレゲトンは、地獄の火の河で産まれた伝説の三剣の一つ。
プレゲトンの力を100%引き出した状態で、一振りすれば街ひとつなら焼き野原に出来る。
プレゲトンの魔力を感じた男たちは、魔力の違いを感じた男たちはすぐに逃げていった。


「亜金、昨日の脅しはなかなか楽しかったな」


プレゲトンがニッコリと笑いピノはケーキをおいしそうに食べている。


「うん。
 でも、戦いになったらヤバかったかも……」

「その時は、私の力を解放せずに戦えばいい」

「でも、強くないし……」

「白銀に鍛えて貰ってたのなら大丈夫だ。
 魔術も清空に鍛えて貰っていただろう?」

「うん」

「なら、大丈夫だ。
 奴らの訓練を受けていたのならファルシオンの兵士よりかは、強いはずだ」


ファルシオンこの世界で強い人たちが集まる部隊のこと。
兵士は、世界の色んなところで活躍し、さらにそれよりも強いのがファルシオンの部隊長。
世界で13人しかいないらしい。
白銀さんも清空さんもファルシオン。
確かにそんな人たちに鍛えて貰ったのだから強いはずなんだけど……
俺は、どっちも怒られてばかりだったな。
懐かしい。


「おや、3人旅かい?」


和服を着たいかにも怪しげな男が俺たちに話しかけてきた。


「な、なんでしょうか?」


とりあえず、会話してみるか。


「3人は、どんな関係で?」

「どんなって……
 どんなんだろう……
 家族かな?」

「そうだな。
 それが一番当てはまるな」


プレゲトンが、そう言うとピノはその怪しげな男に指をさす。


「あー!
 変な服!」

「そうだよ。
 変な服だよ」


男はニコニコ笑う。


「もっと変な服を見たいと思わないかい?」


男は、ピノの方を見て尋ねる。


「みたーい」

「じゃ、このチケットを……
 大人1枚1500円で負けとくよ」


なんだ、営業か……
断ろうと思ったけどピノの目がキラキラと輝いている。
仕方がないから買うことにした。
日程は、明日か……

まぁ、ゆっくり楽しもう。

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