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ピノの旅(小説) [ピノの旅]

――4月8日


俺たちは、指示された場所に向かう。
その場所は、大きなホールだった。


「でっかいおうちー」


ピノが、嬉しそうにはしゃぐ。


「コラ!ピノ!
 はしゃぐと前みたいに……」


プレゲトンが、そう言ったところでピノが、ガラの悪そうな大男にぶつかる。


「なんだ?
 てめぇら!」


男Aが、ピノを睨みつける。


「ごめんなさい」


ピノが、すぐに謝る。


「人にぶつかって『ごめんなさい』では、すまないだろうが?」


男は、そう言ってピノのポシェットを奪う。


「亜金!
 ここじゃ、剣になることは出来ない。
 素手であいつらを懲らしめろ!」


プレゲトンが、俺に言う。
仕方がない。
素手で戦うか。


俺は、そう言って前に出る。


「なんだー?
 てめぇー!この女の彼氏か?
 女の前でボコボコに殴られてぇか!」


男Bと男Cが、俺の前に現れる。
めんどくさいな。



「おやめなさいって」


別の男の声が、聞こえる。
昨日、このホールに誘ってくれた和服男の声だ。


「なんだてめぇは!」

「このホールのオーナーと言えばわかるかな?」

「ああん?」


男Aたちが和服男に気を取られている隙に、俺は男Aたち背後に回り1人ずつ首に一撃を与え気絶させた。


「それ、なんか卑怯だよ?」


和服男が、そう言うと俺はニッコリとこう答えた。


「卑怯大好き」


和服男は、静かに笑った。

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