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ピノの旅(小説) [ピノの旅]

――4月21日


サクライーターの討伐を終え俺たちは、町の喫茶店でまったりとしている。
生産機の方は、ただいま調査中とのこと。


「にしても、亜金君凄いねぇー」


空猫さんが、扇子を広げニコニコ笑う。


「いえ……
 俺の力じゃないです。
 プレゲトンの炎の力なんです」

「それにしても凄いよ。
 あれだけの数の卵とドラゴンハーピーを駆逐できたのだから。
 それに僕の魔力計測系では、あの時の亜金君の魔力は、20000を超えていたよ。
 ピノちゃんの時の魔力は、測定不可だったけど20000超えの魔力……
 ファルシオンの隊員にもなれるぞ?」


星さんが、そう言って笑う。

ファルシオン。
この人間界の中で最も強い精鋭部隊。
ファルシオンに入るには、魔力試験、剣術試験、筆記試験、ED試験のどれか1つをクリアしなければいけない。
また、隊長クラスになるには、そのすべてをクリアしその魔力は、最低でも10万を軽く超えている。


「ファルシオンってなぁにー?」


ピノが、そう言って俺の方を見る。


「とっても強い人たちのことだよ」

「ふーん」


ピノは、そう言って上を見る。


「桜、もうだいぶん散っちゃったね」


俺が、そう言うとピノが、つまらなさそうにため息をついた。


「ピノ、早く雪が見たい……」

「そうだね……
 星さん、俺らの仕事っていつまでなんですか?」

「仕事自体は、もう終わってるよ。
 依頼料は、すでに口座に入っていると思う。
 特に亜金君は、頑張っているから給与高いよ」


星さんが、そう言ってとびっきりのスマイルを見せた。


「それじゃ、早速明日にでもピノの和服を買ってやることができるな」


プレゲトンが、そう言って静かに紅茶を飲む。


「わー。
 服楽しみー」


ピノが、嬉しそうに笑う。


「じゃ、明日、この町の」オイラの和服屋に来なよ。
 いいモノ譲ってあげるよ」


空猫さんが、笑う。


「え?
 でも、貰うのは……」

「約束だからね。
 気にしなくていいよ」


空猫さんが、ニコニコ笑いながらコーヒーを口に運んだ。

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