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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

3月6日


今日、余の通う学校の卒業式が行われた。

あまり絡みはなかったが、空猫先輩とのんこ先輩とは、今日でお別れだ……
と思っていたが、そうでもないらしい。

余は、のんこ先輩に体育館裏に呼ばれた。

「どうした?」

「んっとね。
 ちょっと話があって……」

「そうだな。
 のんこ先輩は、今日でこの学校を卒業するんだな。
 少し寂しくなるな」


余が小さく呟くとのんこが、笑う。


「寂しいと思ってくれるの?」

「そうだな……」

「はぁ……亜金君は、何処に行ったんだろ……
 家出少年もいい加減に戻ってきてほしいよ」

「そうだな……」


そう、ただの家出ではない。
そもそも雫に誘拐されてこの場所にいない。
雫が死んだのならここに戻ってくるはずだ。
戻れない理由でもあるのか?


「神様も、亜金君のこと心配?」

「ああ」

「噂で聞いたんだけど、神様達も亜金君を探してるってホント?」

「ああ」

「私も……」

「ダメだ」

「え?」

「のんこ先輩はダメだ。
 亜金は、危険な組織に狙われている可能性があるんだ」


客観的に聞くと嘘っぽいな。


「そうなの?」

「ああ」

「そっか……」

「亜金は、余たちが必ず見つける。
 だから、心配せずに待っていてくれ」

「……わかった。
 神様を信じるよ。
 でも、危険なことはしないでね」

「ああ」


のんこ先輩は、信じてくれるのか。


「じゃ、私、行くね」

「ああ」


のんこ先輩は、余に手を振るとその場を去った。
今生の別れとは行かぬとも会わなくなるんだな。
そう思うと寂しくなる。

余達は、卒業式の歌を唄を歌い。
卒業生を見送った。


※この物語は、フィクションです。


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