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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

3月11日


黒曜に連れられ、余は今、万桜の部屋にいる。


「神様、単刀直入に言おう。
 君は、天界に帰りたまえ」

「な、なんだと?」

「万桜もだ……」

「どうしてですか!?」


万桜が、怒鳴る。
お兄ちゃん大好きっ子の万桜が黒曜に怒鳴るなど初めてのことではないだろうか?


「テオス……つまり赤の魔道士や白銀は恐ろしいヤツらだ。
 今の君たちでは、全く歯が立たないだろう」

「余たちも毎晩修行をしている!」

「アイツらは、殺さない。
 何故なら殺せば自分も殺してしまうことを意味している。
 自分より少し強くなったところで、アイツらの足元に及びもしないだろう。
 よしんば追いついたころにはヤツらは、もっと上の場所にいるだろう。
 君たちが、強くなるようにアイツらも日々強くなっている」

「だが、余は帰らん!
 友がいるのだ!
 友を助けるまで余は帰らん!」

「……亜金君のことかい?」

「ああ。そうだ」

「亜金君のことは、こちらでも全力を持って操作しよう。
 だから、戻ってくれ……」


黒曜が、頭を下げる。


「断る……」

「私も、今回の兄様の命令には従えません」

「そうか……
 なら、2人とも1度だけでいいから戻ってくれ。
 君たちの体の本体での行動を許可しよう」

「本体だと?」

「ああ……と神様は知らないと思うが、神様は今、精神だけの肉体なんだ。
 万桜もそうだ。だから戦う気があるのなら本当の肉体に戻ってくれ」

「……余の肉体はかりそめの肉体なのか?」

「その肉体でないと人間界には来れない条例が出ているんだ。
 だが、テオスの登場により現世の政府も本当の肉体での行動を許可した。
 神様の肉体は、アザゼルさんが極秘で預かってくれている」

「そう……なのか?」


余は、幽体離脱していたのか?


「でも、肉体に戻れば倒せるのですか?」

「そりゃ、君たちは神様と魔王。
 その状態で戦いを挑めば、倒せるかも知れない。
 と言っても君たちの護衛は何人かつけさせるがね」

「……わかった。
 戻ろう。それでアイツらを倒せるのなら安いモノだ」


万桜もそれに賛同した。
そして、余たちは、一度それぞれの場所へ戻ることにした。


※この物語は、フィクションです。


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