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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

3月12日


余は、一度天界に戻ることにした。

天界に戻るとアザゼルが、長いヒゲをさすりながら余を迎えてくれた。


「神様、お久しゅうございます」

「アザゼルか……」

「黒曜様から、連絡は頂いています。
 こちらにいらしてください」

「うむ」


アザゼルが、ゆっくりと歩き出す。
余は、アザゼルの後についていく……
アザゼルは何も語らない。
無言で歩いている。


「こちらです」


アザゼルが、そう言って大きな扉を開けた。


「これは、余か?」

「そうでございます。
 この肉体が、神様の肉体です」

「……」

「融合しますか?」

「うむ」

「では、肉体にお手を触れ下さい」

「うむ」


余は、肉体の額に手を触れた。
すると余は吸い込まれるような感覚に襲われた。


「少々苦しいですが、ご辛抱ください」

「こ、これは……?」


深い深い海の中。
深い闇に吸い込まれる感覚に襲われ、一気に体中に余の何倍もの体重の重力がのしかかる。


そして、目の前が真っ暗になる。

次に目を開けた時、余の顔を見下ろすアザゼルの姿があった。


「融合完了でございます」

「何にもかわらない気がするのだが……」

「能力の限界値が、格段にアップしております」

「これで、赤の魔道士や白銀にも互角以上に戦えるのか?」

「それは、神様次第でございまあす」

「そうか……
 では、余は現世に戻るぞ」

「止めても行くのでございますよね?」

「ああ」

「では、こちらです……」


アザゼルは、そう言って余を現世への道へと案内してくれた。
これで、余は優心の仇を打つことが出来る。


白銀、覚悟するがいい。


※この物語は、フィクションです。

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