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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

3月28日


昨日の夜。

余は、真由と外食に行った。

回転寿司と言われる場所に行った。
1皿100円じゃない、回転寿司だ。

ものによれば1皿、800円する。


余は、それを真由にご馳走したくてそこに向かった。

真由は、遠慮していたが、余も男だ。
これくらいの出費などへっちゃらだ。


それにネタも美味い。


一番うまかったのが、マグロの串焼きだ。
塩コショウをかけて食べた。


「真由、お腹は膨れたか?」

「……うん。
 でも、いいの?このお店高いよ?」

「なにを言っている。
 余は、神だぞ。
 この店くらい毎晩来れるくらいの収入はある」

「え?
 神様って、そんなに貰ってるの?」

「時給1800円だ」

「えっと、それは、高いのかな?少ないのかな?」

「さぁな。
 1日12時間労働だから、単純計算で21600円になる」


余は、笑いながら茶をすする。


「す、凄い……
 交通費はでるの?」

「自宅で仕事だからな……
 あ、でも出張費は、きちんと出るぞ」

「そうなんだ……
 神様、凄いんだね」

「うん?」

「きちんと仕事してる……
 私も将来のこと考えなくちゃ……」

「真由は、巫女になるんじゃないのか?」

「巫女になりたいけど、家を継ぐには私を貰ってくれる人を見つけないと……」

「真由なら、いくらでもいるさ……」

「私は……」


真由は、そこまで言いかけて口を閉ざした。
何が言いたいのかわかる。
だけど、余には叶えてやれることのできないモノだ。


「じゃ、会計を済ませるぞ」

「うん」

「この後、カラオケにでも行くか?」

「え?」

「行ったことがないんだ。
 一度行ってみたい」

「うん!」


真由が、笑う。
どうかこの笑顔がずっと続きますように……


※この物語は、フィクションです。


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