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亜金友人帳 [亜金友人帳]

4月8日


日曜日。
少し肌寒い。
今日は、六花と一緒に散歩をした。

六花は、カエルを見つけるとカエルを追いかける。
その辺は、猫なんだなと実感した。

まぁ、正式には猫じゃなく、すねこすりなんだけど……


俺は、コーラーの入ったペットボトルを片手に歩いていると1人の俺と同じくらいの歳の少年が立っていた。

少年は、六花を見ると鞄から竹刀を出す。

そして、竹刀を六花に向ける。


「うん??」


俺は、何か嫌な予感がした。


「これは妖怪?
 退治しなくちゃ……」


少年は、勢いよく竹刀で六花を叩こうとした。
それを寸前の所で、突如現れたプレさんが、バッドで防ぐ。


「え??」


俺は、何が起きたのかわからなかった。


「君は?妖怪?うんん……
 どちらかと言うと神様に近い?」


少年は、表情を変えずに淡々と答える。


「それは、こっちのセリフだ!
 いきなり猫をそんなモノで殴ろうなんて動物虐待もいいところだぞ!」

「動物?うんん。
 コイツは、妖怪。妖怪は、全て退治しなくちゃ……」

「……六花は、俺のペットなんだ。
 姉から譲り受けた俺の大事な友達なんだ。
 そんなことは、いわないでくれるかな?」


俺が、そう言うと少年は首を傾げた。


「友達?妖怪が?」

「確かに、コイツは、妖怪すねこすりだ。
 だけど、猫なんだ」

「よくわからない。
 退治しなくてもいいの?悪さしない?」

「……ああ、退治はしなくていい」

「わかった」


少年は、そう言うと鞄の中に竹刀を戻した。
どうやって竹刀が収まったのかはわからない。
だけど、収まった。
不思議なこともあるもんだ。

少年は、言葉を続ける。


「海藤 克己(かいどう かつみ)」

「うん?」

「……僕の名前」


少年は、そう言うと静かにその場を後にした。


※この物語は、フィクションです。

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