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亜金友人帳 [亜金友人帳]

4月10日


今日は、一日ぼーっと過ごそうと思っていた。
明日から学校が始まる。
そうなるとぼーっと過ごすことは出来ないだろう。

だから、ぼーっと過ごす予定だった。

ドロドロした昼ドラを見ながら六花の毛を撫でているとインターフォンが鳴った。
誰だろう。


俺は、そう思ってドアを開けた。

プレさんが、微笑みながら立っていた。


「プレさん、どうしたの?」

「亜金さ、この街に来て間もないだろ?」

「ああ」

「明日から学校が始まるしさ、街を案内してやってもいいぞ」

「え?」

「私も暇だしさ、案内してやってもいいぞ」


ここで断ればあとあとの関係に支障が出るな……


「わかった。
 ありがたく案内されるよ」

「うん!」


プレさんは、嬉しそうに頷いた。
俺は、テレビを消してジャケットを着るとプレさんと一緒に街を散策した。


コンビニを3件、安売りのスーパーや図書館、ネカフェや病院……
その他、諸々を紹介してもらった。


そして、プレさんたちが良く行くと言う喫茶店にも連れてきてもらった。


「萌さん、こんにちはー」


プレさんが、そう言って喫茶店のカウンターにいる女性に声を掛けた。


「プレちゃん、こんにちは」


女性が、ニッコリと笑う。
プレさんは、カウンターに着くと「いつものヤツ頂戴」と言った。


「はい」

「えっと、俺はミルクティーをください」

「はい」


女性は、そう言うとプレさんにオレンジジュースを出して俺にミルクティーを淹れてくれた。

美味しいミルクティーだった。


「えっとね。
 紹介が、まだだったね。こいつは、この間、皐月荘に引っ越してきた詩空亜金だ」


プレさんが、そう言って俺を指差す。


「亜金です。
 よろしくです」

「んで、この人が……」

「山田 萌です。
 萌さんと呼んでください」


萌さんは、そう言ってニッコリと笑う。
萌さんは、とても綺麗な人だ。


「亜金、ちなみに萌さんは、人妻だから手を出すなよ」


プレさんが、ケラケラ笑う。
人妻なのか、残念のようなそうでないような……
複雑な気持ちになった。

※この物語は、フィクションです。


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