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亜金友人帳 [亜金友人帳]

4月13日


今日も授業は午前中だけ。
午後は、クラブ紹介があるらしい。

だが、俺は、その前に俺は、とんでもないモノをみてしまった。


海藤克己。


あの無表情な男が、ウチの制服を着て椅子に座っていたのだ。


「あ……」


俺は、思わず声を出してしまった。
そして、男は俺の方を向いた。


「亜金君じゃないか……
 同じクラスだったんだね」

「そ、そうだな」

「僕のことは、克己と呼んでね。
 “海藤”って苗字好きじゃないんだ」

「そ、そうか……
 なら、聞くよ。
 どうして、ここに克己がいるんだ?」

「簡単な質問だね。
 僕も学生だからだよ」

「……そうか」

「午後は、クラブ紹介だね。
 その後クラブ見学があるけど……
 亜金君は、なんのクラブに入るか決めた?」

「いや……
 まだだけど」

「僕は、本が好きだから読書部に入ろうかと思うんだー」

「なんか地味なクラブだな」

「地味じゃありません!」


そう言って僕の後ろからぐるぐるメガネの女の子が、現れた。
レテさんだ。


「レテさん」

「最近の若い人は、文字離れしすぎているので、本を読むことは大事なことなんです!
 さぁ、亜金さんも本を読みましょう!
 今度、亜金さんの部屋にお勧めの本をプレゼントしにいきます!」

「いや……
 俺は、マンガしか読まないから……」


俺は、そう言ってその場を離れた。


「……逃げた」


克己が、そう言ったのがわかったけど俺は、構わずに逃げた。


校門近くまで来ると六花が、プレさんと遊んでいた。


「プレさん、大変だ。
 海藤 克己がこの学校にいた!
 しかも、同じクラスだ」

「ああ、知っている。
 アイツとは小学校から同じだからな!
 まぁ、動物をいじめるようなヤツじゃないと思っていたんで、こないだの一件はショックだったぞ」

「そうなのか?」

「ああ」


俺は、肩の力が抜けた。


※この物語は、フィクションです。

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