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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年06月12日


朝、目が覚めると美穂は、やっぱり元気がない。
朝食を一緒に食べると、すぐに仕事に向かった。


美穂が、俺の部屋を出た後暫くすると覆面を被った子供たちが、俺の部屋に入ってくる。


「うん?」

「お兄さんを千春ちゃんを口説いた罪で逮捕する!」


この声には、聞き覚えがある。
そして、他の子供たちも声をそろえて言う。


「逮捕する!」

「彼女がいるのに、千春ちゃんを口説いたらダメだよ!」


この声は、紛れもなく歩ちゃんだ。


「歩ちゃん、何してるの?」

「歩は、歩じゃないよ!
 アユーミンだ!」


歩ちゃん。
今、自分で歩って言ったよ。


俺は、ゆっくり歩ちゃんに近づき覆面を取った。


「はい。俺の勝ち」

「う~~
 お兄さんずるいよ」


歩ちゃんは、そう言って照れ笑いを浮かべる。
すると他の子供たちも覆面を取った。


「で、どうしたんだ?」


「昼間は、お兄さん一人で寂しいでしょう?
 だから、病院で友達を作った方が良いと思って、私の友達を連れて来たよ」


歩ちゃんは、楽しそうに言った。
そして、歩ちゃんは言葉を続けた。


「んっとね、このデカいのが元太君」

「おう」


と、元太君は、低い声で返事をした。
確かにでかい、歳は歩ちゃんと同じくらいだろうけど……
体重は倍以上ありそうだ。


「んで、こっちが……」

「充です。
 よろしくおねがいします」


充君は、そういうと、軽くお辞儀をした。
こっちの子は、元太君と違い痩せている。
歳は、歩ちゃんと同じくらいだな……

小学1~2年生と言うところかな?


「そっか……
 みんな、元気で何よりだ」

「元気じゃないから入院してんだよ」


元太君が、そう言うと歩ちゃんと充君が笑う。
俺は暫く、この小さなテロリストと少し雑談して子供たちは院内学級があると言って部屋を出た。

まぁ、なんだ……
みんな色々あるんだな。

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