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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年07月18日


おはよう。
水曜。
7月18日、晴れー


水曜日になれば、このフレーズを思い出す。
今日は、院内学級でお絵かき大会があるらしい。

子供たちが、俺を誘ってくれた。

はるか先生が、ダメだと言うと思ったけど……


「子供たちが気に入っているみたいなので、よかったら参加してください」


と言われた。

だから、俺も参加している。
だけど、俺には欠点と言うか苦手なことが沢山ある。

その中のひとつ。

それは、絵が病的に下手だと言うことだ。

このことを知っているのは、俺の幼馴染連中くらいのモノだ。
萌ちゃんも参加するらしい。

さて、どうしようかな……


俺は、とりあえず病院内にいる猫の絵を描いた。

うん。

見事までに下手な絵だ。


「お兄ちゃん絵書けた?」


愛ちゃんが、そう言って俺の絵を覗き込む。

さぁ、笑うがいい!


「お兄ちゃんの絵、個性的だね」


愛ちゃんは、苦笑いを浮かべた。


「兄ちゃん、絵、下手だな……」


元太君が、そう言って笑う。


「笑っちゃダメ」


愛ちゃんが、元太君を睨む。


「だってよー」

「人には得意なことと苦手なことがあるの。
 元太君だって字下手でしょ?」

「あ、ああ……」


元太君の顔が引きつる。
あの愛ちゃん……
俺、字も下手です……


「ちぇー。
 まぁ、いいや。
 俺の神的な絵を見て見ろ!」


元太君が、そう言って絵を見せる。


「亜金さんの絵とあんま変わらないね……」


愛ちゃんが、そう言って笑う。
6歳児の絵と変わらない絵を描く俺……
これは、俺の心にもダメージが大きいぞ。

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