まっしろなティスタメント（小説）

2012年08月08日


今日の朝、病院でちょっとした事件が起きた。


男が、ロビーで暴れているのだ。


「ゆかりは何処だ！
　ゆかりを出せ！」


ゆかりって、ゆかりさんのことだろうか？


男と目が合う。
すると男は、俺の方にゆっくりと近づいてくる。


「お前、ゆかりを知っているか？」

「どこのゆかりさんですか？」

「とぼけるな！
　杉山ゆかりだ！」


俺の知っているゆかりさんは、確か、田村ゆかりだ……


「杉山ゆかりさんは、知りませんね」

「この病院にいることは、調べがついているんだぞ！」


男は、俺の胸ぐらをつかむ。


「そんなこと言われても……」

「いいから、ゆかりを出せ！」


男は、俺の顔を殴る。

何度も何度も殴る。


痛い……俺は、この男に何かしたのだろうか？

警備員の人が駆けつけてくれたが、それでも男は、俺を殴り続けた。


「お前か！ゆかりの新しい男はお前か！」


男は、警備の人を投げ飛ばし殴り飛ばす。
この男、強いのか？

まぁ、警備の人も普通の人だろうからそんなに強くないんだろうけど……


「亜金をイジメるなー」


美穂が、疾風の如く現れ、男を蹴り飛ばす。


「この糞、女が！」


男は、美穂の方を睨む。

だけど、俺の意識はそこで途切れた。