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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年08月17日


晴れ。

今日は、晴れ……
暑い。


なんだかんだ言ってもう8月の半ば。

俺と美穂は、暑い中、病院内の公園でぼけーっと座っていた。

ゆかりさんもそれに混じりぼけーっと日向ぼっこ。


「暑いね……」


美穂が、太陽を見る。


「暑いね……
 ちょっと、美穂、太陽に向かって氷を2~3個投げてくれよ」

「ヤダよー」

「じゃ、私が投げるー」


ゆかりさんが、そう言って自販機から紙コップのジュースを買ってきた。
そして、ジュースを一気に飲み干すと氷だけがコップに残る。


「じゃ、投げるよー」


ゆかりさんが、手に氷を持つと空高く投げる。


「あー。
 本当に投げた……」


美穂が、呟くと氷が空から降ってくる。
まぁ、そりゃそうだよな……


「氷が降ってきたー」


ゆかりさんが、きゃっきゃっとはしゃぐ。


まぁ、なんだ……
28歳、アラサーの大人たちが何をやっているんだ……って感じだね。


「楽しそうだね」


山本さんが、そう言って現れる。


「あ、お久しぶりです」

「ああ、お久しぶり。
 元気にしてたかい?
 って、入院している子に聞くのはおかしいか……」

「まぁ、ボチボチです」

「今度、またたこ焼きパーティーをやるから、また来てくれるかい?」

「もちろんです!」


俺は、頷いた。


「痛い……」


ゆかりさんが、うずくまる。


「ゆかりさん?」

「陣痛よ!
 そう言えば、出産日がそろそろ近いんじゃ?」

「俺、看護師さん呼んでくる」


俺は、走って千代田さんを公園まで呼んできた。
千代田さんは、すぐに係りつけの担当医を呼び、ゆかりさんは分娩室へと向かった。

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