死ぬ？

今の気温。

40℃……

亜金さんこのままでは、死んじゃうかも？

クーラーつけるか……

節電か……


亜金は、今！
究極の選択を迫られている。

先月の電気代が、去年の7月の電気代より＋15%も多かったのだ……

だから、がーまーんー

まっしろなティスタメント（小説）

2012年08月20日


子供たちが、俺の部屋に集まって作戦会議を開いている。

ゆかりさんを部屋から出す作戦らしい。

ゆかりさんは、何も食べてない。
これは、非常によろしくない状態。


出産後は、栄養を取らないとダメな気もするのだけど……


美穂も、真剣になって子供たちの話を聞いている。


「お兄さん何か良い案無い？」


歩ちゃんが、俺に尋ねる。


「んー。
　昔話でな、洞窟に引きこもったお姫様がいてね。
　洞窟の前でお祭りをして、その楽しそうな雰囲気が気になったお姫様は顔を出すんだ」

「その話知っているけど、病院内で騒いだらダメだよ」


隼人君が、そう言って苦笑いを浮かべる。
確かにそうだけど……


「たこ焼きパーティーとかは？」

「たこ焼きパーティーは、来週の予定ですから、その間にゆかりさんが、餓死しちゃいますよ」

「そうだな……」


予定を早めるのは出来ないだろう。
何故ならもう告知をしてしまっているから……


「私、お姉さんと話してくる！」


歩ちゃんは、そう言って俺の部屋を出ようとする。
すると扉の向こうには、はるか先生が、立っていた。


「はぁ……
　やっぱりここに居たのね……
　授業、もう始まるわよ」

「でも、私たち……」

「そっとしておいてあげるのも優しさよ？」


はるか先生が、そう言うと歩ちゃんたちはしょんぼりとした。


「そうだけど……
　一番つらいのは赤ちゃんだと思うの！
　だって、お母さんに会えないの辛いもん！」

「……そうね。
　まぁ、いいわ、今日は、そこの暇人2人をゲストに招待して、教室でその件について話し合いましょう」

「え？」


歩ちゃんが目を丸くさせる。


「ゆかりさんのこと、先生も心配だから……」


はるか先生は、そう言うとニッコリと笑う。


「はるか先生ありがとう！」


歩ちゃんが、はるか先生の足を抱きしめる。
そして、俺たちは教室で、ゆかりさんを部屋から出す作戦を考えた。
だけど、答えは出なかった。

1人、1人が、ゆかりさんに声を掛けよう。
そういうことになった。

それが、吉とでるか凶と出るかわからない。
だけど、それしか方法はないと思った。
俺たちは、明日。
ゆかりさんに話しかけようと思う。
部屋の外からになるけど……
子供たちの声、届くと良いな……