まっしろなティスタメント（小説）

2012年09月10日


月曜日。
雨が降りそうで降らない天気。
曇天だ。


今日は、心療内科の先生の診断を受けた。
手足の痺れ、眩暈、その辺のことを伝え、現状維持の診断を受けた。


まぁ、脳腫瘍だって診断されてもあんまり実感が無い。


俺、本当に脳腫瘍なのかな？

頭痛はあるけれど吐き気もあるけれど……

それほど酷くない。

たぶん、鬱と鬱の薬の副作用だと思う。
だから、今日も吐き気、眩暈……


今日は、フラフラするから散歩も出来ない。

だから、物凄く暇だ……
病院、ベッド、白い天井。

これ以上暇なことってあるのだろうか……


「誰か美少女が現れて、俺の相手でもしてくれないかなぁー」


俺は、小さな声で呟く。


「あら、美少女じゃなくて悪かったわね」


美穂が、俺の隣で横になっている。
いつの間に？
って、コイツは忍者か？


「美穂、こんな時間にどうした？」

「仕事が早く終わったので帰って来ちゃった」

「そっか……」

「うん。
　で、なんの相手をすればいいの？
　ポケモン？」

「今は、ポケモンは、いいや……」

「じゃ、何がしたい？
　エッチ？」

「えー？」


美穂は、突然何を言っているんだ？


「童貞捨てたいんでしょ？
　なら、今日捨てない？」

「童貞は、捨てたいけど……
　そう言うのって好きな人同士がするわけで……」

「私は、亜金のこと好きだよ？
　亜金は、私のこと嫌い？」

「嫌いじゃないよ」

「好き？」

「えっと……」

「嫌い？」

「……好き」


俺は、小さく答えた。


「じゃ、やろう」


美穂が、俺の体を力強く抱きしめる。
美穂の音が聞こえる。
あぁ、俺、今日童貞を失うのか……

そう思って目を閉じる。
視線を感じる。
美穂も視線を感じたみたいだ。


視線の方を見ると愛ちゃんがいた。
愛ちゃんは、すぐにその場を去った。


「あー」

「見られちゃったね。
　今日はやめとこう」


そうして、俺は今日も童貞を捨てれなかった。

9月10日

9月10日

今日は、心療内科に行って来ました｡

薬変わらず、現状維持。