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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年10月25日


今日は、いい天気だったので、病院内の本屋に向かい……

マンガ「マギ」を14巻まで、大人買いしてしまった。

約6000円した。


美穂に昨日古本屋を見てもらったけど古本屋には、売ってなかったらしい。

流石、アニメ化された作品は違うね。

本屋に行っても、何冊か置いてなくて、店員さんに尋ねて倉庫から出してきてもらった。
店員さん優しい……


少し落ち着いてから本を読もうかと思う。


歩ちゃんは、絶対安静。

少し心配だから、歩ちゃんの部屋に向かった。
歩ちゃんは、静かに眠っていた。
稲穂さんが、歩ちゃんの手をぎゅっと握りしめていた。


「昨日の夜、ずっと貴方の話ばかりをしていたんですよ」


稲穂さんが、そう言って俺の方を見る・


「俺の話ですか?」

「はい」

「歩、貴方のことが好きみたいです」

「え?」

「初恋ですね……」


稲穂さんが、小さく笑った。


「そ、そんな……」


なんか、こそばゆい。


「私の初恋の人も年上の人だったんですよ?」

「え?」

「優しくて暖かくてみんなに好かれて……」


俺とは、正反対の人間だな。
俺が、そう思っていると稲穂さんが言葉を続ける。


「そう、貴方のような人です。」


俺は、すぐに反論した。


「俺は、そんな好かれる人間じゃないですよ」

「そうですか?」

「体中にシミが、あるでしょ?
 これ、小さいころからあってよく虐められて泣いていました。
 人から嫌われてばっかの人生ですよ。
 だから、みんなには好かれてません」

「そうですか?
 看護婦さんの中では、子煩悩で優しくて人気があるみたいですよ?」

「誰が、そんなことを……」

「千代田さんです」

「あの人か……」

「私も亜金さんのこと嫌いじゃないです。
 美穂さんがいなかったら口説いてますよ」

「え?」


稲穂さんは、優しく微笑む。
その表情に俺は、一瞬どきりとしてしまった。

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