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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2012年12月09日


結局昨日は、女の子たちを見ているだけでヤツは動きはしなかった。
そして、朝の8時24分。


啓司から電話があった。


「もしもし、こんな朝早くにどうした?」

「亜金、また被害者が出た」

「え?
 昨日は、ヤツは、朝昼夕見張って、夜は自宅に帰ったはずだが?」

「ヤツって、誰だ?」

「怪しいヤツ」

「……そうか。
 亜金が、言っている奴が犯人かどうかはわからないが……
 犯行は、毎回夜行われているんだ。
 家に1人でいるとき、会社帰り……
 人気のない場所で犯行は行われる」

「……そうか」


もしかして、昨日の俺は骨折り損のくたびれ儲けってヤツなのか?


「そういうわけだ。
 亜金が目をつけているヤツの場所を教えてくれないか?
 俺ら警察の方でも確認してみる」

「ああ……」

「んじゃ、9時半までには、亜金の家に着くように手配しよう」

「10時過ぎだ……」

「うん?」

「9時半からは、ツーピース(ふたつなぎの秘宝)のアニメがあるから、それを見なくちゃ」

「もし、俺がお前の上司なら殴り飛ばすところだぞ?」

「アニメは重要だぞ?
 ゲーム化されれば、技を覚えることができる」

「お前の能力は、そういう能力だったな。
 OK!10時過ぎにお前の家に行く」

「ああ、了解だ」


こうして、俺と玉藻は啓司と共に俺が怪しいと思うヤツのマンションへと向かった。


「ここだな……?」

「ああ……
 蛭魔 梶夫(ひるま かじお)ってヤツだ」

「蛭魔か……
 御幸に聞いて、能力者リストを確認してもらうか……」


御幸……

名前は、西郷御幸。

御幸は、ギフト能力者ではないがギフテッドであったりもする。

ギフテッドとは、簡単に説明すると天才だ。

同年代の人間より速く、深く、広く物事を学ぶ。
ギフテッドの子供は幼いうちから文字を読んだり、ずいぶん年上の子供と同レベルで学習することができる。
高い論証能力、独創性、好奇心、豊富な語彙、優れた記憶力を持つ傾向にある。
わずかの反復で全体概念を修得できることもしばしばである。

特に御幸は、記憶能力が、ずば抜けている。
一度見たことは忘れない。
その能力を生かして御幸は沢山の資格を持っている。
今は、弁護士をやっていて、ちょっとした有名人だ。

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