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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年01月04日


今日は、昨日であった少年、隼人君の案内で、玉藻と一緒に隼人君の友人のいる家に向かった。

隼人君が、その友人の家に向かうとその友人が玄関のドアを開ける。

友人の名前は、海藤 卓……
学校に来てはいるものの家ではほとんど引きこもっているらしい。
んで、その海藤君が、ドアを開けるってことは、根っからの引きこもりじゃないってことだ。


「なんだ……
 隼人か……」

「卓!」

「なんかようか?」


海藤君は、冷たい表情で俺を見る。


「この一見の事件、お前の犯行じゃないよな?」

「は?」

「だって、これらの事件、お前をいじめていたヤツの関係者ばかりじゃないか!」

「天罰だ」

「え?」

「ヤツらに天罰が下ったんだ」

「何を言っている?」

「俺は、神から力を授かった……
 それは、俺の人生を素晴らしく変えることだ」


海藤君は、そう言って笑う。
俺の魔力感知の能力で言うと、この子もギフト能力者。

蛭魔のようなルシファーではなく、アンゲロス。
先に何かを失った時に理不尽に得てしまった能力。

そちらに近い、と言うのもルシファーは一時的に能力は爆発的に上がるが……
代価を支払っていない場合の魔力は、人と変わらない。
アンゲロスに関しては、何もしない時から魔力ってのは少しは常備備わっている。
むろん、MPや魔力と言うモノは、この世には存在しない。
だけどギフト所持者は、人の魔力と形が違うのだ。
この子の魔力は、黒。

つまりアンゲロスだ。


「お前……
 まさか……」

「そう俺はギフト能力所持者になったんだ!
 これで、隼人に助けてもらわなくても俺は、ヤツらに復讐できる!」

「復讐?
 そんなことを考えちゃだめだ!」


隼人君が怒鳴る。


「では、黙って苛められ続けろと?」

「そうじゃない。
 今でのように僕が!」

「それが、嫌だと言ってるんだ!
 もう、帰ってくれ!
 俺は、来る聖戦に向けて、準備がある。
 関係ないアンタらを巻き込みたくない。
 俺の力は、最強なんだ!」


海藤君は、そう言ってドアを閉める。


「卓!」

「これ以上は、粘れないな」


玉藻は、そう言うと俺と隼人君の腕を掴む。


「ん?」

「いったん帰るぞ」


玉藻は、そう言ってワープの能力を使って俺の家の玄関に移動した。

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