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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年01月06日


俺が、眠っていると玉藻が俺のベッドの中に入りゴソゴソする。
これは、もしかして漢のロマンのアレなのか?
いきなりアレをするのか?


玉藻が、ベッドから顔を出す。

あれ?

何かおかしいぞ?
身体が動かない。


「ふふふ……」


玉藻が、笑う。
いや、これは玉藻じゃない。


「君は、誰?」

「ふふふ……
 怖い?怖い?ねぇ怖い?」

「誰かと聞いているんだけど?」

「あたいは、怖いかと聞いているんだけど?」


女は、嬉しそうな笑みを浮かべる。
女は、ナイフを俺に見せる。


「どうするつもりだ?」

「怖い?」


俺は、何も答えなかった。
すると女はそのナイフを俺の肩に刺す。


「ぐわぁぁぁ」


俺は、思わず声をあげてしまった。


「痛い?ねぇ、痛い?」

「な、何のつもりだ?」


ダメだ、俺の能力が一切力を出せない。
女は、今度は俺の唇にキスをした。
俺の頭が真っ白になる。


「ねぇ、気持ちいい?」


女が、俺から顔を話すという。
よく見ると女は、可愛いかった。
不思議と肩の痛みはない。
血も止まっている。


「俺に何をした?」

「言うこと聞くなら、もっと気持ちいいことしてあげるよ?
 夢でもリアルでもね」

「夢??」

「そうこれは夢。
 私、皆河 夢(みなご ゆめ)の能力。ドリームマスターの力よ。
 安心して、私の顔は偽造してないから……
 貴方が、私の言うことを聞いてくれるなら私を好きにしていいのよ」

「話って何?」

「卓の事件から手を引きなさい」

「なんでだ?」

「それが、あの人の意思だからよ」

「あの人?」

「それは、言えない」

「なら、俺も降りない」

「残念ね……」


夢は、そう言って姿を消す。
俺は、そのまま意識が薄れゆく。
そして、再び目を開けたとき、そこには誰もいなかった。

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