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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年01月22日

火曜日、雨……
俺と御幸は、水菜議員の家に呼ばれた。
水菜議員……つまり、瑞樹君と夕貴さんのお父さんだ。

そして今……
俺たちは、水菜議員の家の客間で正座して水菜議員から怒られようとしている。


「君が、亜金君だね?」

「は、はい」

「娘から話を聞いているよ。
 まずは、君に言わなければいけないことが2つある」

「はい」

「娘を守ってくれてありがとう」

「い、いえ……」

「だが、親心として言いたいことがある」

「はい」

「御幸君、娘をどうして危険な目に合わせることになった?
 こうならないために、亜金君を雇ったのではないのかい?」

「そうです。
 でも、情報が少なすぎました。
 ギフト能力者が少なくても3人もいるなんて話、聞いていませんでした」

「なんだと?
 3人もギフト能力者がいるのか!?」


しかし、俺には思うことがある。
だから、この機会に言ってみようと思った。


「恐らくですが……
 少なくても3人ともう1人、あいつらには仲間がいます」

「どういうことだい?」

「夢ちゃん……
 敵である女の子なのですが、その子が言っていたんです。
 『あの人』って……
 恋次って男の人の事なら『恋次』って言いますし、海藤君の事は、『卓』と言うはずなんです。
 つまり、夢ちゃん、恋次、海藤君の他にもうひとり……
 『あの人』が、いるはずなんです」

「そうか……
 で、そのあの人とは、誰なのだ?」


水菜議員が俺を睨む。


「それは、わかりません……」

「そうか……
 どちらにせよ、マスコミが騒ぎだしている。
 これからは、警察にも夕貴の警護をつけることにする」

「そうですか……」

「亜金君……
 引き続き、娘のことを頼む」

「え?クビじゃないんですか?」

「君の情報は入ってきている。
 チート級のギフト能力者なんだろう?」

「はい」

「それなのなら問題ない。
 一般の警察なんかより戦力になる。
 御幸君も、引き続き頼む」

「ありがとうございます」


御幸は、深々と頭を下げた。
俺も、少しテンポはずれたけど、頭を下げた。


「さぁ、この話はここまでだ……
 食事を用意した。
 君たちも食べてくれたまえ」

「あ、はい……」


俺は、頷いた。

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