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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年01月25日


金曜日。
晴れ……
プレゼントを
俺は、今日も夕貴さんの部屋に向かう。
夕貴さんは、今日もマフラーを編んでいる。
もうすぐ完成かな……?

御幸は、喜ぶのだろうか?
御幸って、優しいんだけど何にもない時に、こういうプレゼントを受け取ったことないんだよな。
クリスマスやバレンタイとかは、プレゼントは受け取ってきちんとお返しをしていたけれど……
何にもない時のプレゼントは、受け取らない。
何故ならお返しのタイミングがわからないかららしいけど……


夕貴さんは、嬉しそうにマフラーを編んでいる。


ホント、モテるやつはずるい。


俺は、静かにその光景を眺めた。
すると足跡が聞こえる。
小さな足跡だ、気配を消している。

感知系のギフト能力は、俺は優れていない。
でも、そんな俺にでも感じることができる足音。
隠そうとはしていない……
でも、何かを企んでいる足音……

ゆっくりとゆっくりと近づいてくる。

誰だ?

俺は、夕貴さんに気付かれないようにファンネルの準備をした。
でも、夕貴さんには、すぐにバレ、マフラーを編む手を止めた。


そして、豪快に夕貴さんの部屋の扉が開く。


俺は、ファンネルで作ったバリアを夕貴さんの周りに掛けた。


「おー!
 亜金に夕貴サン!
 ミーのミュージックショーが、この病院で明日あるヨ!
 亜金も夕貴サンも、是非参加してくれヨ!」

「なんだ……
 歌か……」

「『なんだ』とは、何ダ?
 それに夕貴さんを囲っているバリアは、何ダ?」


俺は、面倒くさいけど歌に、事情を説明した。
本当に面倒くさい……


「亜金、水臭いネ!
 御幸や啓司は、知っていてミーには、どうしていってくれないネ?」

「歌は、仕事で忙しいだろ?
 それにいろんな場所にいってるし……」

「亜金は、昔から気を遣いすぎるネ!」

「ごめん……」

「謝るところじゃないネ!
 とりあえず、コレ、チケットを渡すネ!
 明日のミーのミュージックイベント、必ず来るネ!」

「うん……
 ありがとう」

「今日は、玉藻ちゃんは、いないのカ?」

「家で今頃、昼ドラ見てるよ」

「亜金1人で、夕貴サンの護衛カ?」

「うん」

「そうなのカ……」


歌は、何かを考えた後、ニッコリと笑うと「じゃぁ帰るネ!」と言って病室を出た。

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