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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年01月27日


男は、俺のことなど気にしない様子で歌にナイフを向けて振り回した。
歌は、それを器用に避け男に向かって攻撃を仕掛ける。
しかし、男はその攻撃を避ける。

攻撃しては避ける。

この繰り返し。

会場の後ろの方が騒がしい。
俺が、振り向くと恋次が、暴れていた。


「夕貴さん、逃げるよ!」


夕貴さんは、ガクガクと震えている。


「立てる?」


俺は、夕貴さんに尋ねる。
すると夕貴さんは首を横に振った。

俺は、夕貴さんをお姫様抱っこするとそのまま病院の中へと運んだ。
そして、病室へと向かった。


「来ると思ったよ」


海藤君がベッドに座っている状態で俺の方を楽しそうに見る。


「卓!」


俺の後ろから隼人君が現れた。


「隼人……」

「卓、止めるんだ!
 この女の人は、関係ないだろう?」

「俺には関係なくてもあの人が、この女に興味があるんでね……」

「夕貴さんは、関係ないだろ」


俺が、思わず大きな声を出した。


「この女……最高に気持ちいいんだよね」

「何が??」

「まぁ、チェリーにはわかんないか」


海藤君が笑う。


「卓!」


隼人君が、海藤君の方を睨む。


「さて、お喋りは終わりだ……
 さぁ、楽しい戦争を始めようじゃないか!」


海藤君は、そう言って構える。


「素手なら、負けないぞ!」


隼人君も構える。


「タライが、降ってきたらいいのに……」


海藤君が、そう言うと空からタライが降ってくる。
俺と隼人君は、それを避ける。


「カッターで狩ったー!」


海藤君が、そう言って無数のカッターを投げつける。


「隼人君、ここは俺に任せて!
 隼人君は、夕貴さんのことをお願い!」

「いえ……
 ここは、僕がやります。
 亜金さん、夕貴さんのことお願いします」

「でも……!」

「大丈夫。
 僕もギフト能力者ですから……」


隼人君は、ニッコリと微笑んだ。

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