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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年02月15日


俺の心は満ちていた。

昨日、夕貴さんに貰ったチョコレート……
義理だと解っていても嬉しいものだ。

あのチョコの味を思い出すだけで顔がにやける。


「亜金、顔がにやけているぞ」


玉藻に注意されるも俺の顔がにやける。


「だって、チョコだよ?
 初チョコだよ?」

「義理だろ?」

「義理でもチョコはチョコだよ」


俺は、ニヤニヤ笑いながら枚方市駅の改札口の中に入ろうとしたとき、大きな爆発音が聞こえた。


「今の爆発音……
 もしかして……」


玉藻は、眉間にしわを寄せる。
俺の中にも嫌な予感が走った。


駅の窓から外を見ると夕貴さんがいる病院の方から煙が立っていた。


「夕貴さん!」


俺は、走った。


「亜金!
 止まれ!」


俺は、玉藻を無視して走る。
すると目の前に玉藻が現れ俺の頭にチョップする。


「そんなことをしている場合じゃないだろ!」


俺は、思わず怒鳴る。
すると玉藻が、ため息をつく。


「冷静になれ……」

「これが、冷静になれるわけが――」


玉藻は再び、俺の頭にチョップする。


「馬鹿か……
 私を頼れ」


玉藻が、ため息交じりに答える。


「え?」

「私のワープを使えば、早く行けるだろう?」

「あ……」

「冷静になったか?」

「……うん」

「では、私の腕を掴め」

「うん」


俺は、玉藻の腕を掴んだ。


「ワープ」


玉藻のその一言で、周りの景色が変わり夕貴さんが入院している病院に到着した。
周りは火の海だった……
泣き叫ぶ声、そして肉の焦げるにおい……
そこは、まるで地獄絵図のようだった。

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見えない壁 [トリックスター]

見えない壁.jpg



ここに見えない壁があります。


さて、この壁の向こうにはきっと何かがあるんでしょうね。


NPCでも、隠れていたりして……

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